はじめに|「会社の車を売りたい。でも、何から始めればいい?」
法人名義の社用車・営業車を売るとき、多くの方がここで止まります。
- 名義変更って誰がやる?必要書類は?
- 減価償却(簿価)って、売却にどう関係する?
- 売却益が出たら税金は増える?節税になるって本当?
- 仕訳・固定資産台帳の処理が怖い
- そもそも法人対応の買取業者ってどこ?
結論から言うと、法人車両の売却は 「車の売り方」×「名義」×「税務」 がセットです。
ここを押さえずに動くと、名義トラブル/帳簿ズレ/税務の修正など、地味に痛い事故が起きやすい。
この記事では、社用車を損せず・安全に・できれば高く売るために、実務の流れを1本にまとめます。
この記事でわかること
- 法人車両を売却する全体手順(5ステップ)
- 名義変更(移転登録)で必要になりやすい書類と注意点
- 減価償却・帳簿価額(簿価)・売却益/損の考え方
- 仕訳の基本形(売却益・売却損・除却)
- 消費税が絡むケース(課税事業者の注意)
- 節税につながる「考え方」(※“必ず得”ではない)
- 法人車両を高く売るコツと、査定比較の使い方
※税務処理は最終的に税理士・会計士の判断が安全です。この記事は「売却前に迷わないための実務ガイド」として整理しています。
法人車両を売却するタイミングと理由とは?
乗り換え/経費削減/業務形態変更による売却
法人車両を売る理由はだいたいこの3つに集約されます。
- 乗り換え(新車・中古への更新):故障リスク・燃費改善・安全装備更新
- 経費削減:台数最適化、リース化、稼働率の低い車の整理
- 業務形態の変更:営業所統合、配送廃止、外注化など
ここで大事なのは、車の価値は「時間」と「需要」で動くということ。
放置すると価値が落ちるだけでなく、税務処理が面倒な固定資産が会社に残り続けます。
車検・故障・年数など寿命による見直し
よくある売却のきっかけはこのあたり。
- 車検が近い(整備費が読めない)
- 事故・故障が増えた(稼働停止のリスク)
- 年数・走行距離が進み、下取りが弱くなってきた
「車検の前に相場だけでも確認」は、本当におすすめです。
査定は無料。相場を知った瞬間に意思決定が一気にラクになります。
法人車両売却の基本ステップ【5ステップでわかる】
①査定・相場確認(最初にやる)
まずはいくらで売れるかを把握します。
ここを知らないまま下取りに出すと、ほぼ確実に損をします。
おすすめの順番
- 一括査定 or 複数社査定で相場の上限を把握
- ディーラー下取り条件と比較
- 条件が良い方へ
内部リンク:
・下取りvs買取
・査定UPの裏技
・一括査定の注意点(電話対策)
②売却先選び(ディーラー/買取店/一括査定)
法人で多いのはこの3パターンです。
- ディーラー下取り:手間は少ないが価格は伸びにくい傾向
- 買取専門店:価格勝負になりやすい(法人対応の確認が必須)
- 一括査定:競争が起きるので上振れしやすい(ただし運用がコツ)
③名義変更・書類準備
法人はここで詰まりがち。
書類が揃わない=売却できない が現実に起こります。
④減価償却の処理(簿価チェック)
売却益・売却損は 売却額 − 帳簿価額(簿価) で決まります。
簿価を知らずに売ると、想定外に利益が出て課税されることも。
⑤仕訳・帳簿処理(固定資産台帳も更新)
売ったら終わりではなく、帳簿から車を消す必要があります。
固定資産台帳・会計ソフトの処理までがワンセットです。
名義変更の手続きと必要書類一覧
法人名義の「所有者/使用者」を確認する
車検証には「所有者」と「使用者」があります。
- 所有者:名義上の持ち主(会社/リース会社/信販会社など)
- 使用者:実際に使っている会社
ここが重要:
所有者が自社でない(リース・残債あり等)場合、勝手に売れません。
まず契約(リース・ローン)を確認してください。
必要書類一覧と注意点(法人)
法人売却でよく必要になる書類は以下です(車種・登録種別で差が出ることがあります)。
- 車検証
- 法人の印鑑証明書(発行期限の条件があることが多い)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 法人実印
- 譲渡証明書
- 委任状(代行依頼する場合)
- 自賠責保険証明書
- リサイクル券
軽自動車の名義変更(法人)でも、登記事項証明書や法人の印鑑証明書が必要書類として案内されています。
(普通車でも求められる書類の方向性は同様ですが、詳細は運輸支局・代行業者の案内に従うのが安全です)
よくある詰まりポイント
- 登記住所と車検証住所が違う(移転登記後に車検証が更新されてない)
- 法人実印の押印者が不在(社内の権限設計が曖昧)
- 代表者変更後、書類が揃わない(印鑑証明・登記事項が更新途中)
法人から個人へ譲渡する場合の留意点
法人→個人(社長・社員など)へ売ること自体は可能です。
ただし、ここは税務上の見られ方がシビアになりやすい。
- 価格が時価より安すぎると「給与」「利益供与」等の論点が出る可能性
- 社内稟議・証憑(査定書・売買契約書)の整備が重要
やるなら最低限:査定書(第三者評価)を残すのが安全です。
法人車両の減価償却・売却益の扱い方
減価償却資産の基礎知識(耐用年数の目安)
法人の車は原則「減価償却資産」になります。
耐用年数は、国税庁の耐用年数表で区分が示されています。
たとえば「一般用の自動車(主に乗用)」は 6年、「貨物自動車(ダンプ式等を除く)」は用途により 4年/5年 などの区分があります。
※実際は用途・区分で変わるので、固定資産台帳の登録内容が基準になります。
帳簿価額(簿価)と売却価格の差額処理
売却の損益はこれで決まります。
売却損益=売却価格 − 帳簿価額(簿価)
- 売却価格が高い → 売却益
- 売却価格が低い → 売却損
売却益・売却損の税務的影響
- 売却益:利益が増える → 課税所得が増える可能性
- 売却損:損金になり得る → 所得を圧縮できる可能性
※「節税になる」と言われるのは、基本的に 売却損が出る/赤字と相殺できる などの条件が揃ったときです。
除却処理とその仕訳例(売却/廃車で違う)
ここは会計ソフト・顧問税理士の方針で勘定科目が変わることがありますが、考え方はシンプルです。
仕訳例①:売却益が出た(簿価40万→60万で売れた)
- 現金(または預金) 600,000
- 車両運搬具 400,000
- 固定資産売却益 200,000
仕訳例②:売却損が出た(簿価60万→40万で売れた)
- 現金(または預金) 400,000
- 固定資産売却損 200,000
- 車両運搬具 600,000
仕訳例③:廃車(除却)で対価がほぼない
- 固定資産除却損(等)
- 車両運搬具
※実務ではリサイクル料・還付、解体費用などの絡みも出ます。
節税につながる売却のコツと注意点
売却益が出るなら?赤字ならどう処理?
節税の話は、売却益が出るか/売却損が出るかがスタート地点です。
- 黒字で売却益が出る → 税負担が増える可能性
- 赤字(または大きな経費予定)→ 売却益と相殺できる可能性
つまり「節税のために売る」は、決算見込みとセットで判断するのが基本です。
タイミングを工夫して税負担を最適化する
よくある考え方はこうです。
- 決算で利益が出そう → 売却を翌期へずらす選択肢
- 翌期に大きな投資予定 → 売却益をぶつけて平準化
- 赤字年度 → 売却して整理しやすい
ただし、やりすぎると意図せぬ資金繰り・運用コスト増につながるので、税理士とすり合わせが安全です。
リース契約中の車を売却したい場合
多くのリースでは、所有者がリース会社で、勝手な処分は契約違反になり得ます。
まずは契約書を見て「所有者」と「中途解約条件」を確認してください。
税理士に相談すべきパターンとは?
以下に当てはまるなら、売却前に相談する価値が大きいです。
- 法人→個人(社長・社員)へ譲渡したい
- 簿価がよく分からない/台帳が崩れている
- 売却益が大きく出そう
- リース・残債・所有権留保が絡む
- 決算直前で、損益を調整したい
法人車両を高く売るための業者選び【比較ポイント】
下取り vs 一括査定 vs 買取専門業者
法人車両は「一括査定で相場の天井を確認 → 条件の良い所へ」が合理的です。
- 下取り:楽だが伸びにくい
- 買取店:価格勝負、ただし法人対応に差
- 一括査定:競争が起きやすい(=上振れしやすい)
法人対応状況のチェックポイント
業者選びで最低限見たいのはここ。
- 法人名義で申込みできるか
- 名義変更(移転登録)を代行してくれるか
- 書類不備のフォローがあるか
- 複数台売却に対応しているか
- 入金タイミングが明確か(いつ振込か)
売却額が伸びやすい「法人車両」の特徴
法人車両は不利と思われがちですが、実は強みもあります。
- 整備記録が揃っている(管理車両)
- 同型・同条件で複数台ある(仕入れ効率が良い)
- 商用車は国内外で需要が強いことがある
「社用車の相場、うちも見てみようかな…」と思ったら、まずは無料査定で相場だけ確認が最速です。
ディーラー下取りの前に比較材料を持っておくと、交渉の強さが変わります。
体験談|法人車両を売却した中小企業の事例
※以下は起こりやすい現実をベースにしたケーススタディです。地域・車種・時期・交渉条件で結果は変わります。
①減価償却が進んだ営業車を高く売れたケース
- 背景:営業車を入替、ディーラー下取り一択だった
- 行動:一括査定で相場を取り、最上位と再交渉
- 結果:下取りより大きく上振れ
- 学び:法人は「比較」だけで結果が変わる
②リースアップ車を個人名義で引き継いだ事例
- 背景:リース満了で返却 or 買取の分岐
- 行動:契約条項と残価を確認し、税理士に相談
- 結果:条件整理のうえで引継ぎ
- 学び:リース絡みは“契約と税務”がセット
③仕訳ミスで修正申告になりかけた失敗談
- 背景:売却入金だけ処理して固定資産台帳を更新していなかった
- 問題:帳簿と現物がズレて説明困難に
- 学び:売却後は「会計ソフト+固定資産台帳」までがゴール
よくある質問【FAQ40選】
基本・仕組み編
Q1. 法人車両とは?
A. 会社名義で所有・使用する車で、減価償却や帳簿処理が必要になるのが大きな違いです。
Q2. 法人名義でも普通に売れる?
A. 売れます。ただし書類が多く、法人対応の業者選びが重要です。
Q3. 手続きは誰がやる?
A. 代表者または委任を受けた担当者。代行も可能です。
Q4. 代表的な必要書類は?
A. 車検証、登記事項証明、印鑑証明、法人実印、譲渡証明、委任状など(条件で追加あり)。
Q5. 所有者と使用者の違いは?
A. 所有者=名義上の持ち主、使用者=実際の利用者。リースは所有者がリース会社のことが多いです。
Q6. 個人事業主でも減価償却する?
A. 事業用なら対象になり得ます(会計処理は税理士相談が安全)。
Q7. 名義変更は業者がやってくれる?
A. 多くは代行可能です。完了後に車検証コピーをもらうと安心。
Q8. 名義変更しないとどうなる?
A. 税金通知や事故・違反の連絡が旧名義へ届くなど、トラブルの可能性があります。
名義変更・手続き編
Q9. 書類の期限はある?
A. 印鑑証明・登記事項証明は“発行から◯ヶ月以内”指定があることが多いです(業者・登録で異なる)。
Q10. 登記住所と車検証住所が違うと?
A. 手続きで止まることがあります。事前に整合を取るのが安全です。
Q11. 代表者が不在でも売れる?
A. 委任状と法人実印等が揃えば可能なケースが多いです。
Q12. 法人→個人へ安く売るのはOK?
A. 時価より安いと税務上の論点が出る可能性があるため、査定書など根拠を残し税理士確認推奨。
Q13. リース車は売れる?
A. 多くの契約で制限があります。契約確認が先です。
Q14. ローン残債がある車は?
A. 所有権留保なら完済・所有権解除が必要になることがあります。
減価償却・税務処理編
Q15. 減価償却って何?
A. 車の取得費を年数で分割して費用化する仕組みです。
Q16. 耐用年数の目安は?
A. 用途区分により、例として乗用6年・貨物4/5年などが示されています。
Q17. 売却益が出たら?
A. 利益計上となり課税所得が増える可能性。
Q18. 売却損が出たら?
A. 損金になり得て、所得圧縮につながる可能性。
Q19. 簿価はどこで見る?
A. 固定資産台帳・会計ソフト・税理士資料。
Q20. 仕訳が不安…
A. 売却額と簿価で売却益/損が決まります。迷ったら税理士確認が安全。
Q21. 消費税はかかる?
A. 事業として対価を得て資産を譲渡する取引は課税対象になり得ます(課税事業者は特に注意)。
Q22. 税理士に相談するならいつ?
A. できれば売却前。時期で損益が変わるためです。
節税・決算戦略編
Q23. 法人車両を売ると節税になる?
A. 売却損が出る等の条件で“節税につながる可能性”があります。
Q24. 決算前に売るのは得?
A. 会社の損益見込み次第。黒字なら翌期にずらす判断も。
Q25. 簿価ゼロで売ったら?
A. 売却額がそのまま売却益になりやすいです。
Q26. 買い替えと同時が良い?
A. キャッシュ・損益・稼働の都合で最適解が変わるため要検討。
Q27. 節税狙いで注意すべきことは?
A. 価格の妥当性、証憑、期ズレの無理な調整はリスクになり得ます。
Q28. ベストタイミングは?
A. 「相場」「簿価」「決算見込み」の3点セットで判断が基本です。
売却・査定・業者比較編
Q29. 高く売るコツは?
A. 整備記録を揃え、原状回復し、複数社で比較。
Q30. 法人対応の業者の見分け方は?
A. 書類案内の明確さ、代行可否、入金タイミング、実績。
Q31. 複数台まとめ売りは有利?
A. 業者側の効率が上がるため、条件が良くなる“可能性”があります。
Q32. 社名ラッピングはマイナス?
A. 再販コスト次第。剥がしておくと無難です。
Q33. 車検残・自賠責は評価される?
A. 条件次第で評価されることがあります。
Q34. 事故車・過走行でも売れる?
A. 需要次第で売れます。輸出ルートがある業者だと評価されるケースも。
トラブル・注意点編
Q35. 売却後に税金通知が来た
A. 名義変更未完了の可能性。業者に車検証コピーを確認。
Q36. 税務調査で問題になりやすい?
A. 売却記録と帳簿の不一致、証憑不足など。
Q37. 社員へ売ったら給与扱い?
A. 価格次第で論点になる可能性。時価根拠(査定書)を残すのが安全。
Q38. 廃車でもお金になる?
A. 状態次第で買取がつくこともあります。
上級・応用編
Q39. 書類はどれくらい保管?
A. 契約書・入金証憑・車検証コピー等は一定期間の保管が安心です(社内規程+税理士方針推奨)。
Q40. 売却後の資金の使い道は?
A. 設備投資・車両更新・リース化など、会社の戦略次第で最適解が変わります。
まとめ|正しい知識で、法人車両を有利に手放そう
法人車両の売却は、ポイントを3つに絞ると整理できます。
- まず相場を取る(比較が最強)
- 名義(所有者/使用者)と書類を揃える
- 簿価を確認し、仕訳・消費税まで見越す(課税事業者は特に)
そして、耐用年数や区分など制度の土台は国税庁の耐用年数表が基準になります。
(※実務は台帳登録や用途で変わるため、最終判断は税理士が安全)
最後に|法人の売却こそ「プロの段取り」で損失を防げる
「名義」「税務」「比較」――この3つが絡むのが法人売却。
逆に言えば、ここを押さえれば 損もトラブルもかなり減らせます。
まずは、無料で相場だけ確認して、社内の意思決定を一気に進めましょう。
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